キューバのウチナンチューが、今年移民百周年目を迎えると聞いたのは、確か去年のくれか今年の年明けだったと思う。10月に、キューバにいる県系の皆で集って、祝賀会を開く予定であるという話しだった。お知えてくれたのは、メキシコ在ウチナーンチューのトミヤマケンタさん(メキシコ在)。富山さんは、琉球大学時代にスペイン語を勉強しながらキューバの沖縄移民史に入り込み、その後のめり込んでキューバ留学で勉強を続けながら、現地のウチナンチュ達と交流を続けてきた。2001年以来、世界ウチナンチュ大会やジュニア・スタディーツアーなどで通訳や橋渡し役としてずっと陰でサポートしてきたに〜しぇ〜(若者)である。
ウチナー・キューバンチューが移民百年目を迎えるという話は、私にとってその時が初耳だった。こんなおめでたく大事な節目を迎える彼らの事が、今までほとんどマスコミで取り上げられていないことに、正直いって驚いた。というのも、日系移民国はどこも次々に百周年を迎え、私自身2006年・1月にペルーの盛大な百周年祭に参加してきたばかりだったし、2008年にはブラジルとアルゼンチンも沖縄系独自の百周年イベントを進めていて、関連メディアはそれらのニュースで賑わっていたからだ。キューバの日系移民は1998年に日系移民百周年祭を開催したことは知っていたが、日系キューバ移民のマジョリティーは沖縄系である。だから、これまで沖縄系移民社会の動きを追ってきて、マジョリティーである沖縄系の百周年に、世界からウチナーンチュがキューバに総出しての祝賀会の予定がないのも、なんだかおかしな感じがしたのであった。
きっとそれは、キューバへの移民が他国に比べ著しく少ない事、国情がら沖縄県人会も正式な団体と認められていず活動自体も難しいこと、そしてキューバの特殊な事情が外界への情報伝達を困難にしていることが主な原因だったのだろう。北米の住民になったがゆえ、20年近くもキューバに行く夢を叶えられずにいた私だから、この話しを聞いた時、100年に一度の歴史的なモーメントにこそ何とかしてキューバへ行きたい・・!そうだ、この機会にアメリカからキューバのウチナーンチュに会いにいく初のウチナー団体を立ち上げて百周年を一緒に祝おう!!!と奮い立ったのが、私とキューバ・沖縄百周年祭との関わりの発端であった。
北米で生活した経験のない方達にはピンとこないかも知れないが、キューバはアメリカから一番近くて、一番遠い国だ。フロリダの端、キーウエストまで行けば見えるというキューバ島なのだが、社会主義国になってから、北米はキューバと国交がないばかりか経済封鎖や対政策をとっている。一般の米国住民はいくらかの例をのぞいて渡航が禁止されている。米国籍じゃなくても、私のように永住権を持ってアメリカで暮らしている日本国籍者にも、同じ法律がアプライされるのだ。
なので北米から団体としてキューバ訪問を正式なルートで実現させるためには、法的問題をクリアし、米国から渡航許可を得なければならない。これはかなり高いハードルである。しかし、北米ウチナーンチュのキューバ渡航の困難さもさることながら、キューバのウチナーンチュの皆さんは、端から見れば当然の権利と思われる自分達の祝賀会の実現にさえ、悪戦苦闘していた。そもそもキューバでは、大勢の人が集会を持つこと自体が困難であるし、集りを持てる場所を探し確保するのも難しい。沖縄県人会どころか日系協会まで国から正式には認可されていないというし、国外に案内状を送るにも何ヶ月もかかるというし、インターネットは一般人の場合、ごく一部の人達がメールのみ使える状態である。またあちらの経済システムは、資本主義国に住む私たちの思考回路の全く外のものである。
全てが困難を極めていたので、少しでも役にたてればとお手伝いをかって出た私たち(トミヤマ、オオシロ、私)は、現地での視察と話し合いのため、100周年に先立ってキューバを訪問することになった。5月30日から6月4日まで、とうとう現地視察が実現し、キューバのウチナーンチュは私たちを暖かく迎えてくれた。短い期間ではあったけど、一緒に大使館など政府機関への協力願いに出向き、イベントプログラムの重要ロケーションの視察など、朝から晩まで走りまわるのアクション・パック。 連日連夜皆さんのお宅でご馳走になり、出会いがいっぱい詰まった、実りの大きい意義深い視察滞在となった。
キューバのウチナーンチュは、現在、百周年実行委員会を正式に立ち上げ、10月27日の沖縄移民100周年祝賀会の実現と成功のために走りまわっている。大事なのは、祝賀会の豪華さや参加者の人数よりも、努力の質と意義ある交流だ。「結果も大切だが、プロセスこそ大切なのだ」と声高に言えるのが、今回のウチナーキューバの百周年祭なのではないかと思う。
*沖縄キューバ移民百周年祝賀会は、キューバ沖縄県人会の主催で、10月25、26、27日の三日間に渡って開催されます。私自身はお手伝いさせてもらっているサポーターの一人であり、沖縄レキオ・チャンプルー村の主催・企画ではございません。お問い合わせはキューバ国外のボランティア・サポーターにご連絡ください。
スペイン語の問い合わせ/トミヤマ: cubanchu@hotmail.com
プログラム・現地でのコーディネイト/オオシロ:oshiro@mexicokanko.com.mx
北米から参加希望の方は/アッコ:tinsagu@gmail.com

青年の島にて歓迎夕食会ーーーキューバの首都ハバナからプロペラ機で約30分南下したところにある島で、元は「松島」と呼ばれ、キューバの日系人には縁の深い島である。
LA GOYA:プロフィール
北米在住うちなーんちゅー、女性。
60年代、米軍統治下の琉球政府のもとに沖縄に生まれる。
対照的な二つの町、コザ/首里育ち。
うちなーんちゅと世界に散らばる日系人の
多様性、多国籍性、多言語性を活用させる、
チャンプルーイズム・ムーヴメント?提唱者。